広陵町の離れ
敷地は奈良県北葛城郡、奈良県でもっとも人口の多い町の住宅街に鉄筋コンクリートの平家・離れの計画をした。
既存の母屋とは別に来客者をもてなしたりコミュニケーションの場としての
この建物には浴室などはなく、最低限の水回りのみとし、
住宅地という外部からの情報・空間に持たせる機能も最小限にとどめ、
光と素材の美しさを体感できるような空間を目指した。
構造は壁構造にすることで梁・柱型が空間に出ないよう構成。
中央にはトップライトを大きく設け、
そこから注ぐ日の光で時の移ろいを感じ取る。
仕上げに使用した黒谷和紙は優しく光を内包することで
四季の移ろいや天候により変わる様々な空の様子を柔らかく空間に伝える。
坪庭側にはスリット状の開口を設け、壁にバウンドした自然光を足元から取りむ計画となっている。
この数年、コミュニケーションの大半がSNSやインターネットを介した媒体に移行した結果、画面ばかり見ている日常とは対極の場が必要とされている。
密集した住宅地の中でプライバシーを確保しつつも日常とは違う豊かなコミュニケーションを楽しめる場を創造した。